カオヤイ日帰りバードウォッチング

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カオヤイの美しい熱帯林© 2007 Koji TAGI
 タイでのバードウォッチングは今回で2回目になる。前回タイを訪れたのは2005年12月。目的地はタイ北部のドイ・インタノン国立公園だった。専門家派遣中の休暇利用で余裕のあった前回とは異なり、今回は仕事の後に一日無理やり休みを引っ付けてのバードウォッチングである。今回のタイ出張の目的地がバンコクだったので、バンコク近郊の探鳥地を探ってみると、カオヤイ国立公園が一番良さそうだ。カオヤイ国立公園へはバンコクから車で2時間から3時間程度かかる。日帰りにはギリギリの距離だ。出張日程が決まり、後はガイド探し。まず、ドイ・インタノン訪問時にコンタクトを取ったNature Trailsに連絡を取る。同時に、以前カオヤイを訪れている大阪のMさんに別のガイドを紹介してもらう。スケジュールが合ったのはNature Trailsなので、朝の5時半にバンコク市内のホテルでピックアップしてもらうように頼む。久しぶりの海外バードウォッチングだ。

 朝5時半。まだ暗いホテルのロビーで待ち合わせ。チェックインを済ませにロビーに降りると、ガイドのRattaponは既に到着していた。ちょっと淋しい頭から、実際の年齢よりも少し老けて見えるが、まだ35歳くらいだろう。たれ目で馬面の愛嬌ある横顔が誰かに似ているなぁと思っていたら、某宮崎県知事だった。

 車はバンコク市内を抜け、次第に郊外へ。Asian Openbill(スキハシコウ)が飛び交う水田地帯まで来ると、ベニバトやカノコバトの姿も。Rattaponは今まで20年くらいガイド歴があるそうで、彼のガールフレンドも熱心なバードウォッチャーなんだとか。彼女と二人でバードウォッチングとは、週末行くところにもめずに済んで結構やなぁ。Rattaponも彼女も写真をやっているそうで、彼女はスワロフスキーの賞を今年受賞したんだとか。ナミビア旅行が副賞だそうで、うらやましい限りである。

 カオヤイに着くまでは、しばらくバードウォッチング談義に花を咲かせる。東南アジアといえばヤイロチョウだが、やっぱり一番綺麗なのはBanded Pitta(キマユシマヤイロチョウ)やナと意気投合。まだ見たことないんやけどナ。

 高速道路を走っていて気がついたのだが、タイのバスはやたらにカラフルである。ドラゴンボールやアキバ系の女の子が描かれていたり、アメリカンコミックみたいな絵だったり…。いずれもピンク、水色、黄色、紫…。あんな落ち着かない色合いのバスには乗りたくないなぁ。

 カオヤイに着く前にちょっと寄り道。Rattaponが「今日最初の鳥はライファーにしよう」という。事務所の庭先のようなところに降りると、高木の上から、独特の濁った声が。「Parakeet?」と聞くと、「YES」という返事。声ばかりでなかなか見えないと探していたら、朝日に目をまぶしそうにしているRed-breasted Parakeet(ダルマインコ)を見つける。ピンク色の胸と赤い嘴が特徴だ。朝から幸先が良いスタートだ。

 いよいよ公園の入り口に到着。ゲートで入場料を払う。タイの国立公園では、タイ人と外国人で聴取する入場料がかなり異なる。ちなみに、カオヤイの場合、タイ人であれば40バーツ(約160円)だが、外国人の場合は400バーツ(約1600円)と約10倍の開きがある。

 カオヤイ国立公園はタイの人達の間では非常に人気のある観光地なのだそうだ。週末になると多くの人がキャンプや周辺のリゾートホテルに訪れ、キャンプ場は車とテントで溢れかえるのだとか。ちなみに、カオヤイ国立公園の年間収益は5000万バーツ(約2億円)というのだから、その入場者数の多さが伺える。ただ、多くの人は観光バスでやってきて、なにも見ずに帰っていくというのだから、釧路湿原や日光と状況は変わらなさそうだ。

 公園に入るとフタバガキ科の高木が目立つようになる。白い幹の目立つ高木はボルネオで見かけたマンガリスを思い起こさせる。熱帯林の伐採が進んだタイでも、ここでは綺麗な森が残されているようだ。

 最初の展望台で小休止。遠くからはシロテテナガザルの声が聞こえてくる。森の中から聞こえるカエルのような声はBlue-bearded Bee-eater(アオムネハチクイ)なのだそうだ。しばらく待っていると、2羽のbee-eaterが飛んできて、電線に止まった。光沢のある青い喉が美しい。オスの方が喉の青い面積が大きいのだそうだ。

 Blue-bearded Bee-eaterに続いて登場したのはBlack-winged Cuckoo-shrike(アサクラサンショウクイ)。南部東南アジアで普通のLesser Cuckoo-shrike(コアサクラサンショウクイ)とよく似ているが、尾羽外側の白斑が目立つ。
 
 朝の森からは沢山の鳥の声が降ってくる。陽気な声はBlack-headed Bulbul(ズグロヒヨドリ)だろうか。サイホウチョウ類らしき声も聞こえる。にぎやかなのはHair-crested Drongo(カンムリオウチュウ)。カオヤイでは最もよく目立つ鳥のひとつ。「朝の道路沿いでは、Siamese Firebackがたまに見られるから注意しておくように」というRattaponのアドバイス。徐行しながら道路際を注意して探すが、特にそれらしき影はなし。それでも、朝の森では、Barking Deer(ホエジカ)やSamber(スイロク)の姿も見られる。Sambarは喉に皮膚が裸出している箇所があるのだが、フェロモンが出る場所なのだそうだ。SambarやBarking Deerがキャンプ場付近でよく見られるのは、人がいるキャンプ場近くの方が天敵に襲われないためだそうだ。
 
 カオヤイには依然大型動物が多く生息している。トラ、ガウル(野生の牛の一種)、アジアゾウなどで、アジアゾウは最近数が増えていて、夜であればほとんど毎晩国立公園内で見られるようになったのだそうだ。ただ、数が増えたのは良いことばかりでもなく、個体密度が高くなってきているという問題があるのだとか。一方、トラの方は悲観的な状況で、数年間の調査で一頭のトラしか映像に映っていないそうだ。

 
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