小ネタ集
Last Updated August 9, 2003

 鳥の話ばかりでは息も詰まるので、ちょっと息抜きを・・・。


マラウイにて - 「野生動物の道」と書いてある下の文章は洒落ているが、
上の「ゾウは予想不可能」という文章が怖い。

 最近は自称"Twiticher"を返上しているのに、ちょっと濃いめのページを作っていますので、ここで一息、鳥以外の話。日本も含めた色んなところで聞いたり、目にした雑多な話を書いていきます。 

 久しぶりに少しネタを追加しました。


おしながき

オーストラリア編 マレーシア編
中国編 コスタリカ編
その他 バードウォッチャー編


オーストラリア編

オーストラリア人  俗にOZ(オージー)と言う。オーストラリアは移民の国なので、色んな人種が混じっている。イギリス、アイルランド、イタリア、バルト三国、ポルトガル、ギリシャなどなど。でも、オーストラリア人にヨーロッパの人ほどの気品は感じられない。まぁ、その分、気さくだけど・・・。彼らの気さくさと優しさは、1800万人のほとんどが「田舎」の人だからで、経済競争では東南アジアに負けてしまったからだと思うのは、ちょっと意地悪だろうか。
オーストラリア人2  OZはお米が大好きだ。それも、インディカ(長粒)米のみならず、ジャポニカ(短粒)米がスーパーマーケットで驚くほど簡単に手に入る。一日のうち、1回は米を食べるという人も多い。でも、OZは米を炊くのが下手くそだ。芯が残ってたり、跡形もなく崩れた無残な米を毎日食べてる。彼らは沸騰したお湯に米を入れて、ただやみくもに炊くしか知らない。
 ワーキング・エクスペリエンスで来ていた学生(当時)のA君(仮称)は、米の炊き方を図入りで説明したんだそうだ。米を洗って、手が浸る程度に水を入れて、中火〜弱火で炊く・・・と描いて、彼のいた学部のOZたちに説明したらしい。そのときの反応たるや、「知らなかった!!」という人ばかりだったという。そやけど、芯の残ったご飯ばかり毎日食べてて、ほんまに美味いと思ってたんだろうか・・・。やっぱり白人は味覚が麻痺している・・・。
オーストラリア人3  米好きOZの中でも、Q大学在学中の友人L君(匿名)は根っからの米好きだった。彼はブリスベンの自宅からは通えないので、学生寮に住んでいたのだが、4畳半のスペースにコンセント2箇所しかない部屋で、炊飯器を使っていた。彼は三食米を自分で炊いて食べて生活していた。あんまり米ばかり食べるので、同級生たちから「今日の米はどうだ?」と聞かれる始末。
 そんな彼の好きなご飯は、ご飯にアプリコットジャムを乗せて食べる方法・・・。「美味いから、試してみーひん?」と何度も誘われたけど、最後まで勇気が出なかった。
オーストラリア人4  OZは早寝だ。オーストラリアでは、午後9時以降に電話するときは、一言断ってから電話をした方が良いと言われた。実際、友人R宅へ9時半頃に電話をしたら、眠そうな声で文句を言われた。
 早寝ということは、もちろん早起きである。大学の研究のため、友人Gと朝からインタビューに出かける約束をした。時間をうっかり聞き忘れていたら、翌朝、5時半にドアをノックする音で目が覚めた。「おい、今から行くデ」。早起きにも限度があると思う。
オーストラリア人5  OZはハイテクに弱い。シドニーの駅で自動改札を導入したとき、切符の入れる方向を間違えて閉じ込められたり(無理やりこじ開けて出た人も多かった)、改札の前で硬直している人が沢山いた。街角にあるフレキシー・テラーと呼ばれる現金自動引き出し機の傍では、時々機械を叩きまくってるオバはんを見かける。どうやら操作手順が理解できなくて、現金が引き下ろせないらしい。彼女たちは決まって、「全く、物分りの悪い、いかれた機械だよ」と文句を言ってる。たぶん、わかっとらんのは、オバはんらの方や。
オーストラリア人6  OZは本当に物を大切にする。壊れても何度でも自分で直すので、簡単に物を捨てない。別の表現をすると、単にケチなのかもしれない。30km以上の距離を走って、高速料金A$1(約65円)を取られると、えらく不平を言う。若い女の子でも1970年代前半の車に平気で乗る。彼女いわく、「私よりも、年配やねん、この車」。そやろなー・・・。
 ある日僕はエチオピアからの留学生の友人Yと、担当の教授でもあるRの車に乗って、ブリスベンの本校の授業を受けた帰る途中だった。Yは、R教授の車を見て、トリップメーターが60,000kmしかないことにいたく感心した。彼は先の長い留学生生活に際し、車の購入を検討していた。
「これ、すごいなぁ、60,000kmやん。売ってくれへんか聞いてみよ。」と彼。僕はOZの車の乗り方を知っていたし、トリップメーターに10万の単位がないことに気がついて、「やめといた方が良いで」と言った。かくして、YがR教授に聞いたところ、「ん?この車?ああ、265,000km走ってるけど?」。Yはすっかり黙ってしまった。R教授は、「いやぁ、日本車は丈夫で壊れなくて良いねぇ、ハハハッ」と笑った。いやぁ、それでも26万キロも乗ってるアンタは尋常やない・・・。
オーストラリア人7  OZはお金を貯めない。どうやって使っているのかさっぱり分からないが、なぜかお金がないといつも言う。
 ある家庭にホームステイしていた友人Nのファミリーは大きな家に住んでいて、キャンピングカーを持っている。どう見ても裕福な家である。ここの家の主人がある日、友人Nともう一人の留学生の前で、こういった。「俺の口座にいくらあるか知っているか?」友人が「知らん」と言うと、彼は「自慢じゃないが、お前たちよりも少ないぞ!俺の口座には今400ドルしかない!」。オッサン、自慢してどうすんねん・・・。
オーストラリア人8  OZのほとんどはにぎやかなところが嫌いだ。ゴールドコーストの話をすると、「あんなもんは海外からきた観光客が行くところや」と言って、さも自慢げに「行ったことない!」という返事が返ってくる。
 友人Dはシドニー西部に住む初老のバードウォッチャー。シドニーオリンピックを4年後に控えた1996年のある日、彼に会う機会があった。彼にオリンピックの話をしたら、「最悪だね。おかげで、あっちこっち道路工事だ。オリンピックで人が増えると思うとぞっとする。」どこまでも田舎がお好きらしい。
オーストラリア人9  OZはファッションセンスがまるでない。普段は破れたTシャツに短パン、底のなくなったサンダルで歩いている。さすがにシドニーやブリスベンなどの大都市では、きちんとスーツを着て歩いている人が多いが、ちょっとオフィス街を離れると、そのカジュアルさ加減たるや素晴らしいものである。
 1999年、コスタリカで開催されたある会議の最中のこと。会議も終盤に差し掛かったある日、会場をチェックのカジュアルなYシャツに白い短パン、足にはサンダルを履いた人が闊歩していた。見覚えのあるその顔は他でもない、オーストラリア政府代表のB氏だった。
オーストラリア人10  OZは甘いものが大好きだ。日がな一日、アイスやケーキを食っている。夜は肉を食べるから、当然太る。で、ダイエットにも煩い。朝はダイエット番組(中には「アウトドアエアロビ」とかなんとかで、「今日はハーバーブリッジの見える公園に来ました。とか言って、野外でエアロビやってるというめちゃめちゃ寒い番組もある)を見て、シリアルを食べる。
 語学学校の講師Sさんはなかなか立派な体型をしていて、歩くのも窮屈そうだった。ある日、彼女は彼女のダイエット法について語ってくれた。「ダイエット?してるわよ。ダイエットコークを毎日飲んでるわよ」。ちょー待て!アイスクリームを毎日2個以上食べて、ケーキを毎日食べて、その上ダイエットコークを1.5リットルも飲んで、どこがダイエットじゃあ!
オーストラリア人11  OZは好奇心が旺盛で、素直な人が多い。人の話を好奇心をもって、素直に受け止めて聞いてくれる。友人JはOZ以上のOZだ。彼女がロンドンへ行く途中、成田にトランジットした時の話。ゲートから出てきて、一言、「東京には戒厳令があるン?真っ暗でなにも見えなかった。」・・・。ここは成田や。東京ちゃう。宿泊先は?という僕の問いに、「えっ?、エアポートホテル」、「で、どこの?」、「だから、エアポートホテル」。「成田にはいっぱいホテルあるねん、どこのホテル?」、「さぁ・・・」、「さぁって・・・。」
 やっとの思いでホテルを見つけて、ホテルに押し込んでから、遅い晩御飯。てんぷらを食べさせたら、衣を裂いて中をしげしげ見てる。「なにしてんねん?」、「いや、おかあちゃんに、なんでも中を確かめてみるんだよって言われてン」。・・・、どうゆーてえーんやろ。
 翌日、さるお寺の境内にて。能書きが色々あって、英語でも説明書されてあった。ある松の木の前の立て札には英語の説明がなかった。「そうかぁ、この松、確かに立派やなぁ。よし、この前で写真を撮って。ところで、なんて書いてあんの?」、「・・・、ゴミ捨てるなや・・・」。
 成田空港の駅にて、「ええか、空港ビル入る前に身分証明チェックがあるから、パスポート見せるんやで、分かったか?」、「分かった」。で、駅の改札を出て、後ろを振り向いたらいない。ふと見たら、駅の改札の係員にパスポート見せとる。誰が駅員にパスポート見せいっちゅうてん!
OZの笑い感覚  オーストラリア人の笑いの感覚はイギリス人にむしろ近い。イギリスからの移民が多いので当たり前といえば当たり前だが。どちらかというと、ブラックユーモアが多いのが特徴。政治を皮肉ったり、芸能人をこき下ろすのは当たり前。
 オーストラリアの政党が労働党から自由党(で合ってましたっけ・・・)に変わり、新しい首相のジョン・ハワードが世界遺産にも指定されているクイーンズランド州北部のヒンチブルック島の開発計画を明らかにしたときのこと。"Full Frontal"というパロディ番組で、「もし、あなたが庭の芝を刈りたくなったら、『ジョンの草刈屋』に頼みましょう。『ジョンの草刈屋』なら、どんなとこでも出向いてご依頼を引き受けます。ほら、世界遺産に指定されているヒンチブルック島の森もこんなに綺麗になりました。」というのをやってた。これはMr. Beanが皇室のポスターの首をチェーンソーで切るのに似たテイストじゃないだろうか。
オーストラリアの象徴  オーストラリアの国章には2種類の動物が描かれている。カンガルーとエミューである。これは、この2種の動物が前進しか出来ないことから来ていると言われる。(常に前を向いてということか・・・)
 ところでこの2種類、本当に前にしか進めない。どちらも内陸に行かない限り、あまりお目にかからないが、目にする機会があったら、じっくり観察してみて欲しい。
 カンガルー(ワラビー等含め)は交通事故死ダントツの一位である。事故死の原因として言われているのは、彼らは目に光が当たると、硬直して動けなくなるというもの(ネコやタヌキと一緒)。僕個人が遭遇しかけたものだと、車を発見して逃げようとして、返って道路に向かってきたときである。幸いよけることが出来たが、前にしか動けない=頭の向いている方向にしか動けないという彼らの特徴をしみじみと実感した。日本で4WD車で格好をつけてルーバーをつけているものがあるが、ルーバーとはもともとカンガルーとの衝突防止用のものである。衝突で大抵負けるのはカンガルーの方(従って、路上に死体が転がることになる)だが、稀に車も大きなダメージを受け、道路際で大破していたりする。
 路上死というと、エミューの路上死もたまに見かける。カンガルーよりはずっと少ないが、飛べない巨鳥エミューの習性を物語っている。ある日、ニューサウスウェールズ州の中央部を運転していたときのこと。牧柵の向こうに一羽のエミューを見かけた。様子が変なので見ていると、彼はフェンスの隙間から長い首を出して、フェンスに沿って走っていた。どうやら、牧場内に迷い込んだらしいのだが、エミューの不器用さをよく表している。
 この2種の動物は不器用でいて、どこか味がある。そういう意味ではOZっぽいのかもしれない。
アメリカ人とOZ  あるテレビ番組でのこと。アメリカのコマーシャルでオーストラリアのことを紹介していた。まず、オーストラリアの野菜と言って、Tボーンステーキの上に一切れのブロッコリーが乗ってる画面が写った。次に、オーストラリアのリモコンテレビと言って、一人のカウボーイがブーメランを投げて、それがテレビの傍にいた別のカウボーイの頭に当たり、彼が倒れてリモコンのチャンネルに当たって、チャンネルが代わるというネタをやった。視聴者参加型の番組で、会場の参加者はうけてたけど、ええんかぁそこまで馬鹿にされて・・・。
 アメリカの友人Jとケアンズで会ったときのこと。彼はオーストラリアの食べ物がまずいことをしきりにぼやいていた。「ボストンはこんなに食べ物がまずいことはないね」。それから一年半後、ボストンの彼の家を訪ね、一週間一緒に色んなところでバードウォッチングをした。食事の感想は?アホか、どっちもどっちや・・・。
毒ヘビ  案外知らない人も多いと思うが、オーストラリアには沢山の毒蛇がいる。困ったことに、これらのヘビの多くは見た目は全く普通のヘビ。とにかく、ヘビに遭ったら、触らずにそっとしておくのが良い。
 オーストラリアはヘビの種類が多いこともあって、爬虫類好きも多い。友人Gは大の爬虫類好き。ある日、彼は友人Dたちと一緒に、ブリスベン近郊の公園に出かけた。そこで彼は一匹のヘビに遭遇。得意げにDたちに、「これは、毒蛇じゃないから大丈夫だよ」と言って、無造作に掴み、麻袋に入れて持ち帰ろうとした。そのとき、彼は指を噛まれたが、全く気にしなかった。昼ごはんを食べながら、Dたちが、「さっきのヘビ、これじゃないの?やっぱり毒ヘビだよ」と言い出したとき、彼は頭痛を感じ始めた。しばらくして、「吐き気がする。病院に連れて行ってくれ」と言い出した。Dたちが病院に連れ込んだとき、彼は意識がなかったそうだ。幸い助かった彼は、その後クラスメートたちに、「毒ヘビを掴んだアホな男」として一気に有名になったという。
 ヘビの話をもう一つ。ある日本の研究所に勤めるS先生は、十年位前にやっていた動物モノのクイズ番組にもよくご意見番として登場してた著名人。S先生がダーウィンに当時いたU先生を訪ねたとき、ある珍しいヘビに噛まれたという。早速ダーウィンの病院に運ばれたが、なんと血清がない。飛行機でシドニーまで輸送され、事なきを得たそうだが、そのとき、シドニーの病院で、「なんであんなめったに噛まないヘビに噛まれたのか」と聴かれたそうだ。爬虫類好きのS先生はきっと触りまくって、嫌がられて噛まれたのだろう・・・。
うどん  オーストラリアは移民の国なので、いろんな食材がそろっている。中国やベトナム系の移民が住む中華街では、様々な食材を目にすることが出来る。
 日本のものも入っていて、変り種だと菊正宗だったかは、シドニーにも工場を持っているらしい。驚いたのは、うどん。製麺工場がシドニーにあるらしい。その名も轟く「エアーズ・ロック」。ビニールカバーには写楽もどきの絵が・・・。
トカゲ  この不細工なトカゲはマツカサトカゲ。オーストラリアの内陸でよく見かける。オーストラリアには変わったトカゲが多く見られるが、これはその中でも極めつけの一つ。まるで日本の伝説の動物、ツチノコ(いつの時代や!)みたいである。こんなに足が短くても結構走るのは速い。
 他にも変わったトカゲが沢山見られる。エリマキトカゲは有名だろう。どこかの車のコマーシャルに出ていたように、砂漠に住むものではなく、本来はサバンナで多く見られる。木の幹に縦にへばりつき、危険を感じると、すぐに木の裏側へ素早く回り込む。おかげで、まともに姿を見ることは出来なかった。
 ところで、この不細工なトカゲ。最近日本でその姿を見ることがある。ペット好きの友人から聞いた話ではあるが、日本人のゲテモノ趣味も来るとこまできてしまったようだ。
OZ English  「エイ」が「アイ」になり、「アイ」が「オイ」になる発音は結構知られているが、米語ほどはオーストラリア訛りは知られていないのでは。やたらにmateをつけたがるのは、どういうことなのだろうか・・・。朝だろうが夜だろうが、取り敢えず、人に会ったら"Gooday"となる。アメリカ人やイギリス人はこの英語に戸惑うらしい。
 OZがよく使う言葉で、すぐにわからなさそうの極みは"taar"(「ター」あるいは"ta")ではなかろうか。意味は、"thank you"。アメリカに長くいたSさんがメルボルンに来てすぐ、「あれはさっぱり分からなかった」と語っていた。(ちなみに、"taar"はイギリスの一地方ではよく使われるらしい。)
トイレの話  オーストラリアのトイレは当然ながらアメリカと欧米サイズ。一般の公衆トイレに入ると、便器の高さに違和感を覚える。現代日本人の平均的身長175cmの私でも、座ったときに足がぴったりくらいである。というわけで、きばろうにも力が入りづらい。身長150cm台の女性だったら、用を足すのにもえらい苦労すること間違いなし!ほやけど、今の若い女の子は高下駄みたいな靴履いているから、いらん心配かもしれまへん。
 一方、男性用は鉄板一枚で、上から水を流してあるだけの全くお愛想もないところが多い。こういう場合、先に用を足している人がいれば、後から入ってきた人は九分九厘個室に入って小を済ます。個室も埋まっていたら、外に出て、他のトイレを探す。よほど他人と並んでやるのが嫌ならしい。大でも隣の人と話をしながら用を足すという中国に行ったら、彼らは膀胱炎になるだろう。
OZと日本語  シドニーの知人のバードウォッチャー、Tさんは日本語を勉強している。10年以上もやっているという彼の日本語は、そこらのガキの日本語よりもよっぽど綺麗だ。
 彼はとても勉強熱心だ。常に日本語の本を持ち歩いて、「これはなんですか?」と聞いてくる。日本語の本はなんでも良いらしい。以前、一緒に鳥を見に出かけたとき、「こーじさん、この本、内容わかりますか?」と言って、一冊の本を渡してくれた。私がその本を読んで笑っていると、彼は「あぁ、良いですねぇ、アナタはこの本を読んで笑える。私はわかりませんでした。もっと勉強をしなくちゃいけませんねぇ」と言った。分かったらたいしたものである。その本は「ちびまるこちゃん」だった。
 彼は日本語の韻や語呂を読んで楽しんでいる。ある日、私に、「閑古鳥が鳴く、雀の涙、枯れ木も山の賑わい、良いですねぇ。私の好きな言葉です。」というので、「意味は知っていますか?」と聞いたら、「意味はぁ、分かりません」と言った。・・・、そやろな、意味分かって言ってたら、めっちゃ変やぞ・・・。
アボリジニ問題  ちょっと硬い話題を。アボリジニとはオーストラリアの先住民のことを指す。(アボリジニという言葉そのものは、もっと単純に先住民という意味らしい)彼らはオーストラリアの歴史の影の部分でもあり、オーストラリアが外からつつかれたくない部分ともいえる。植民地時代に迫害され、今なお完全にその主権が認められたとは言い難い立場に彼らはある。彼らは文化を継続するという約束つきで政府から生活保護を受けているが、それは同時に西洋文化から隔離された文化を維持するというものである。誰もがみな、電気や水道のある生活を目の前で見せられた上で、「いや、僕らにはこういう生活があるから」とは言い切れまい。しかし、伝統的な生活を捨てて、街に出て行くことは生活保護の打ち切りを意味し、表面上は平等ではあるものの、実質的には白人社会からの差別が待っていて、雇用の機会均等は行われていないという。
 アボリジニの問題でもう一つ。エアーズ・ロックへ登ったことのある人はどのくらいいるだろう。エアーズ・ロックはアボリジニにとっては「神聖なもの」であり、忸怩たる思いで観光客が登るのを見てきた。(日本で言えば、神社の祭壇を毎日開帳させられるようなものか・・・。)近年、アボリジニの権利が見直されてきている。近い将来、エアーズ・ロックは登れなくなることがあるかもしれない。 

マレーシア編 

マレーシア人  マレーシアには、マレーシア人という人種はいない。マレー、中国、インドの3人種が主要民族である。中国人はすず鉱山の労働力として、インド人はゴムやヤシ農園の労働力として、当時の統治者のイギリス人が導入したと言われる。近年まではマレー系と中国系の比率はほぼ同じだったが、現在ではマレー人の比率があがり、マレー60%、中国30%、インド10%と言われている。
マレー人  マレー人のほとんどはイスラム教徒である。女性はトドン(かぶっている女性の中には肥満の人もいるから、「トド」と勘違いしていた人がいた)と呼ばれるベールをかぶり、手首、及び足首から上を出すことを禁じられている(従って、一様に同じような格好をしている)。酒をたしなむことは通常禁止され、断食月には日中は水以外はほとんど口にしない。
 宗教的にさも敬虔であるかのように聞こえるが、実際の印象は宗教を理由にした怠け者としか感じなかった。概して、中国系やインド系に比べ、驚くほど仕事の能力が劣る上、毎週金曜日はお祈りで席をはずすから、さらに仕事をしない。マハティールのマレー人優遇政策がなければ、彼らの地位はもっと低いものであっただろう。
中国人  マレーシアにいる中国人の多くは、福建、広東からの移民である。何代にも渡ってマレーシアに住んでいるため、福建語、広東語は話せても、北京語は話せないし、漢字を書くこともできない人も多い。自分の名前の漢字を知らないという人すら多くいる。
 他の国同様、中国人はマレーシアの経済の基盤を担っている。携帯電話を持って、忙しそうに飛び回っているという印象がある。彼らは政治への参画が事実上不可能であるので、お金を貯めて、海外に子供をやり、自分たちも将来海外で生活することを夢見ている。
 中国人は生来見栄っ張りなんだと思う。彼らは現状以下での形で車を買い換えたり、家を買い換えることはない。やせ我慢をしても、必ずグレードが上のものを購入する。だから、高級車がよく売れる。これは、彼らが商売をする上で、みすぼらしいものを持っていたり、以前と較べて格下のものを持っていると、現状がよくないと見られるからだという。
 商取引をする上で、中国人が世知辛いというのは有名だが、物を購入するなら中国人から買うのが良い。彼らは良い商売をすれば、固定客がつき、自分の商売の信用が増すことを知っているし、逆をして信用を失えば、たちまち自分の商売が傾くことも知っている。だから、クレーム処理にも応じる姿勢がある。 
中国人2  マレーシア系の中国人は、日本人ですらあまり聞かないことをズバズバ平気で聞いてくる。「おまえ、恋人はいるのか」とか、「年はいくつだ」などと平気で聞く。最初の質問に"No"とか返事しようものならさらに面倒くさい。「どうしていなんだ」、「私が紹介してやる」などと訳のわからないことを言い出す。
 ただ、悪意は全くないらしく、あくまでも彼らの習慣のようなものらしい。先のような質問をされたら、笑って受け流すのが一番のようだ。
中国人3  とかく忙しくしたがるのは中国人も日本人も同じのようだ。携帯電話を持ってがなりたてている中国人をよく見るが、実際のところ、どこまで忙しいのか分かったものではない。それでも忙しくしていないと気がすまないのか、常に動き回っている。
 マレーシアに長く住んでいるイギリス人JHは、ある日彼の友人たちと屋台の店で食事をしていた。すぐ後ろにはビジネスマン風中年中国人男性が一人で食事をしていた。彼は骨付きの魚を食べるのに忙しそうだった。そこへ、彼の携帯電話が鳴った。どうするかと思って見ていると、彼はそのまま電話に出て、喋り始めたという。片手に電話を持って、喋りながら魚を食べ、おまけに器用に口から骨だけを吐き出すに至っては、長くマレーシアに住んでいるJHも感心させられたと話していた。ぜひともそのような光景にお目にかかりたいものである。
インド人  最少数派のインド人は、マレーシアでは中国人同様経済面での貢献が大きいらしい。インド人の多くは南方系のタミル人である。当然ながら、ヒンドゥーは話せない。
 一見愛想が良いが、商売に関しては全く信用が置けないのがインド人。とにかく、口はなめらかだが、よく聞いていると理論はめちゃくちゃなことが多い。彼らは自分たちをかばうことをまず第一に考えるようだ。だから、クレーム処理には応じている姿勢を見せても、その実全く誠意がない。おまけに、謝罪するという意思が全く見られない。インド人相手にクレームをつけるのは無駄なことだとすら思う。店の店員がインド人なら、ボスの中国人を呼んでクレームをつける方が良い。
交通事情  マレーシアは車社会である。仕事をする人の大半は車を運転するし、裕福な中国系の家庭の子は大抵車を持っている。
 マレーシアの交通事情は良くない。一般の日本人が運転するのはかなり危険とまで言っておこう。まず、割り込み。車線変更の際、指示器を出す車はほとんどない。たちの悪いのになると、じりじり右に寄ってきたかと思うと、いきなり割り込んでくる。もちろん、指示器などつけない。そうじゃなければ、指示器さえつければよかろうと、全く車間距離を考えずに割り込んでくる。前方、後方不注意による事故がかなり多いらしいが、頷ける。
 極めつけは、右側車線からの左折、左側車線からの右折。これが予想外なだけに、めちゃくちゃ怖い。
 こんな走り方をしているのに、車の流れるスピードはかなり早い。KLとクランを結ぶFederal Highwayでは、車は平均でも80km以上、多くは100km以上を出して走っている。さらに、みな割り込みを嫌うので、車間距離はめちゃくちゃ狭い。あたかもチキンレースのようだ。
 マレーシアで事故を起こしたら、一言も謝ってはいけないという。警察を呼ぶのが無難だそうだ。でも、口達者なインド人や中国人、小ずるい金稼ぎをするマレー人には絶対かなわないよなぁ。
バイク  マレーシアの交通事情を悪くしているのは、実は車ではなく、バイクではないかと思う。ホンダのスーパー・カブみたいなバイクが主流。乗っているのはマレー人が圧倒的に多い。これがまた、見事に交通ルールを守らない。バイクの交通ルールは日本と一緒。でも、追い越し車線を猛スピードで走るのもいれば、車線の真ん中をのんびり走っているのもいる。田舎へ行くと、無灯火で夜走っているのや、逆走しているのも頻繁に見かける。二人乗りは当たり前、3人、4人乗りも時には見かける。めっちゃ怖いんだよな、ああいうやつ。いつこけるか分からへん。なお、いくら勝手にこけて当たろうが、やはり放っておくに限るらしい。
トイレの話  マレーシアで個室に入った方はいらっしゃるだろうか。前方後円墳のような、日本の和式便所の覆いを取ったような形の便器をご覧になって、使い方に戸惑った方もいらっしゃることだろう。正しい使い方は、日本とは逆で、ドアに向かってしゃがむんだそうだ。
 トイレには大抵ひしゃくが置いてあるか、ホースが蛇口とつながっており、これを使って左手で洗い流す。言えば、手動ウォシュレットである。新しい設備を備えたホテルなどでは、便器の横にシャワーのような小さなホースがついていて、ハンドルを握ると水が出るようになっている。これを知らずに、「水しか出ーへんシャワーやのぉ」とぼやいたのは他でもない私である。
 マレーシア人にとって、トイレはまた、喫煙の場でもある。トイレはめちゃくちゃタバコ臭い。携帯電話で怒鳴り散らしながら、タバコをくわえつつ、用を足す。せやけど、ヤンキーの中学生ちゃうねんから、トイレでタバコ吸うのはやめて欲しい。
 今住んでいるコタキナバルでは、やはり職場が禁煙のためか、非常階段に集まってタバコを吸っている。やっぱりヤンキーみたいや。
トイレの話2  ホテルなどに泊まると、洋式の便所を用意しているところが多い。さすがに高級ホテルなどでは、床を水浸しにするわけにはいかないのだろう。先日、ランカウィで泊まったホテルでのこと。ごく普通の洋式トイレに見えたが、なんだか様子が違う。前を向いて座って右側にバルブのようなものがついている。回してみて納得がいった。そうか、これはウォシュレットみたいなものなんだ!日本ではボタンやリモコンによる操作が多いが、なんともアナログでダイナミックなんだろう。おまけに、そのまま蛇口を逆さにつけたようなのから水が出てくるだけである。
 「こんなんやったら、日本の陶器メーカーも作ったら良いのに」と思って振り向いたら、ちゃんと「ina」と書いてあった。おみそれしました。
スチームボート  マレーシアで人気のスチームボート。日本のすき鍋みたいなものである。鶏がらだしのスープの中に、野菜、魚介類、カマボコなどを入れ、最後に麺を入れて食べる。Cameron Highlandなど、ひんやりとした空気の山地では特に人気が高いようだ。この具を入れる順番が如何にも中国系らしい。とにかく、早く茹で上がるものから順に入れる。日本の鍋物とは逆。だから、すぐに茹で上がる中華系の野菜を先にどんどん入れてしまう。最後にエビなどこってりとしたものを食べることになる。如何にもせっかちな中国人らしい。
 ちなみに、よく似たタイすき(タイしゃぶ)では、入れる順番はもっといい加減だった。なんだか、なんでもかんでも適当に入れていたようだが・・・。(シュウマイとか入れるのが凄かった)こういうのにも民族性というのがでるものだろうか。
lah  マレーシア人の7-8割、都心部では9割以上が英語を話せるというと驚かれる方も多かろう。先にも述べたように、マレーシアは多民族国家であり、マレー人はバハッサマレー(バハッサというのは、インドネシア、マレーシアで言語のことを意味するとか。マレー語はインドネシア語に非常に近い)、インド人は主にタミル、中国人は広東語か福建語を話すので、公用語が必要となる。国は公用語としてバハッサマレーを指定しているが、驚いたことに中国人、インド人の中には話せない人もかなりいる。これを補っているのが英語だ。中国人とインド人の取り合わせだと、マレー語を話してることはまずなく、大抵英語が聞こえてくる。
 で、この英語、英語圏に住んだことのある人が聞くと、あまりに癖が強いのに驚かされる。発音はアクが強いし、よく聞くと文法もめちゃめちゃだ。さらに、独特の使いまわしがあるのに気がつくだろう。例えば、なんらかの許可を求められた場合への返答は、"Can can"というように、多くの場合意味もなくcanを繰り返す。鷹揚な態度も手伝って、まるで田舎の成金オヤジが「よっしゃ、よっしゃ」って言ってるみたいである。聞きづらいのは、"lah", "ya"がよく入ることである。"lah"は"No money lah", "expensive lah"というように使う。"ya"は相槌である。
 シンガポールやブルネイでも同様の英語が使われていて、"Singlish"として、悪名が轟いている。シンガポール政府はこのことを憂慮し、分かりやすい英語を話す教育を、と改革に乗り出したと聞いたが、マレーシアではそんな話はない。この話を以前の職場の同僚にしたら、「そうだよ、あいつらの英語分かりにくいよ」やと。お前らの英語の方が分かりにくいんじゃ!と言いたかったが・・・。
交通事情2  マレーシアの交通事情は決して良いとはいえない。公共機関の整備ははちゃめちゃだ。KL市内のバスは充実しているといえば充実しているが、誰一人としてルート、ダイヤを把握していないのはすごい。行き先表示を見れば、行き先が示してあるので、最終的に目的地に着くことは出来るのだろうが・・・。
 マレーシアの公共交通機関事情が良くない最大の理由は、利便性が度外視されているからだ。ハイテク好きの中国人とインド人が経済を握るマレーシアでは、鉄道のハイテク化は進んでいる。高速道路では日本以上に進んでいるとも言える。でも、とても不便である。それは、それぞれを運営する会社が独自のシステムを導入し、駅間接続、高速道路同士の共通システムの開発を行っていないからである。例えば、ある高速道路では、SMARTというプリペイドシステムが使われているが、それに接続する別の高速ではELITEというシステムが使われていて、互換性がない。高速をまたげばまたぐほど、別のシステムに適応したカードが必要になるというわけ。これは鉄道でも同じである。
おかま  宗教的な戒律が厳しいのに、なぜかマレーシアにはオカマさんが多い。人種もインド人、マレー人に多く見られる。失礼なことを言うようだが、色白の人がやっている分に綺麗で済むかもしれないが、色黒のマレー人やインド人がそのまんまオカマをやっている分には、場末のオカマバーよりも始末が悪い(断っておくが、私はそのような世界には明るくない)。ただ、オカマさんも差別を受けることなく、一般の職場で目にすることが多いのは、日本よりも進んでいる。
 KLの青山と言われる(ゆーてんのは、駐在さんだけやけど)Bangsar(バングサー)のマクドナルドの店員にはどういうわけかオカマさんが多い。店頭に立つ店員はせいぜい4人だろうに、下手をすると3人までオカマさんである。まるで好んで採用しているかのようだ。
 店の中に入っていくと、「いらっしゃぁいン」と腰をくねらせて出てくる。「フィレオフィッシュのバリューミールで」と頼むと、「小指を立てながら、フィレオフィッシュひとつぅ〜ン」と妙に鼻声でオーダーしてくれる。最後に、「エンジョイ、ユア・ミール」と流し目で言われた日には・・・。
宗教と食事  先頃、インドネシアで味の素が豚の成分を商品製造過程で使用していたことが問題になっているが、イスラムでは豚は「不浄な物」として、食べる対象外に置かれている。また、ヒンドゥー教では、牛は神聖なものだから、やはり食べる対象になっていない。さらに細かく言えば、マレー人はあまり牛肉を食べる習慣はないし、インド人はあまり豚肉を食べる習慣もない(宗教上、さして問題はないようだか。)必然的にスーパーに並ぶ肉は鶏肉が多くなる。牛肉も置いてあるが、やはりマレー人はあまり買わない。豚肉に至っては、別会計での支払いが通常であり、豚を使ったハムなどもそこで会計を済ませる。
 さすがに、マレー人が豚を食わないのはよく知っていたのだが、インド人は少数であるため、うっかり忘れてしまい、ある日、インド人の職場の友人を食事をしたときのこと。せっかくだから、よその国の料理を食べに行こうということになり、それでは、韓国料理にしようかとBangsarにある韓国料理店に入った。店員がメニューを渡して、同僚が一言。「なんや、牛肉が多いな。」あっ、しもた・・・、ヒンドゥーは牛食べへんのやった・・・。
 しょうがないんで、鶏肉中心でオーダーしたのだが、焼肉はやはり牛肉じゃないと・・・。同僚たちの感想?「KOJI、韓国料理も美味いなぁ。タンドリーみたいやったぞ。」まぁなぁ、どっちも炭火で焼けば一緒か・・・。
中国人の飲食1  マレーシアでも中国人はやはり中国人である。食事は当然本格中華。中には見慣れないものも多い。ジュースなど、飲み物もそれは同じで、ニンジン、さとうきびなど、あまり日本ではお目にかからないものもミキサーにかけて出てくる。マレーシア入りしてすぐの頃、毎日の暑さに辟易して、部屋にあるジュースを飲もうとホテルの冷蔵庫を開けた。中に、ホイシンソースなど、中華系のソースでお馴染みのyeo'sの缶ジュースが入ってた。"W○○ter Melon"と書いてあった緑の缶を取り、「あぁ、スイカか、ちょうどええワ」と、開けて一口つけて、反射的に飲むのをやめた。なんや、これ?よーく缶を見ると、"Water"と書いてあるはずが、"Winter"とあった。ちょっと考えて、気が付いた。「なんや、冬瓜(とうがん)やん!」。どこの世界に冬瓜をジュースにするヤツがおんねん!
中国人の飲食2  中国人は時々漢方に基づいているのか、妙なものを飲んだり食べたりする。冬瓜ジュースにも驚いたが、もう一つ驚いたのが、黒いゼリー。Kuala Selangorでのこと。友人と二人で食事を済ませ、「なんか、果物以外のデザートない?」と話をしていると、黒いゼリーの写真が涼しげに飾ってあった。「あれ頂戴」と二人で何も考えずに注文。出てきたのに口をつけて、???えっらい、薬っぽい味。よーく見ると、ポスターに「霊芝」とあった。おいおい、キノコをゼリーにしてどうすんねん!

中国編 

漢字1  中国は全て漢字の世界である。日本語の片仮名にあたる文字がなく、全てを漢字で適応してしまう。それは人名でも同じで、友人のJHは中国での仕事の際、向こうの人間より漢字名を与えられた。それにあたって、何人かの人がいちいち議論をして、字を充てたというのだから、徹底している。
 さて、当て字もなかなか優れもので、例えば、「可口可楽」などは傑作だ。「コカ・コーラ」のことだが、商魂も感じられる見事な当て字だ。「奇巧○刻」(三文字目は分からなかった)は何かお分かりだろうか?なんと、キットカットである。なんだか漢方薬みたいで、めちゃめちゃ効きそうだ。ちなみにネッスルは「雀巣」だった。こちらは意味かららしい。
 中国では、場合によっては、音ではなく、意味から字をあてる事もある。北京空港到着時、「旧金山」という字幕が目に入ったが、なんとサンフランシスコだそうだ。ちなみに新金山はオーストラリアのメルボルンらしい。昔、ゴールドラッシュ時代に中国人が大量に移民したのだろうか。
漢字2  中国では全て漢字である。当たり前のことだが、やはりスゴイ。アメリカ人の名前もロシアの地名も全て漢字である。ただ、漢字にして違和感のあるものもある。北京空港に着いたとき、妙に達筆な字で「北京空港」と書いてあったのだが、これが赤い電飾のおかげでまるで中華料理屋。「うーん、美味そう」と思ったのは私だけだろうか。
 友人と中国の漢字の話をしていたとき、「ほな、これ知ってる?」と言われたのが、「老鷹の『加州飯店』」。中国に明るい人なら、すぐに分かるのだが、知らなければ「へ?加州?どこ?レストランかなにか?」となるかも。友人は、「これなぁ、イーグルスの『ホテルカリフォルニア』のことやねん。ジャケットは一緒なんやけど、なんか違うよなぁ」と言った。やっぱり、なんでも漢字にするもんじゃない。
漢字3  中国は全て漢字の世界である。これはカタカナという外来語に充当する文字を持っている日本人からすると時に滑稽ですらある。上述可口可楽を見て「ほぉ!」と唸った私は、このゴールデンウィークの旅行中もつまらないもの探しに熱中した。コカコーラのライバル、ペプシは「百事」となる。これはさっぱりなにか分からない。日本企業でカタカナの某食品企業は「格力高」。なんだか機械製品でも作っているようで、これには道頓堀のオジサンもその姿どおり、お手上げ状態だろう。印刷機械やカメラでお馴染みの某社は「佳能」となる。これは分かりやすいし、「むむ、なんだか性能が良いらしいぞ」という気にさせられる。今回の傑作は「肯徳基」と「麦当労」。どっちもアメリカの大手ファーストフードチェーンだが、肯徳基は中華大革命時代の英雄というような迫力ある名前で、とてもチキンウィングを売ってなさそうだし、後者は麦飯とか貧乏くさいものを売っていそうで、平日半額を一層貧乏臭くかんじさせてくれる。
 最後に、「汽水」とはなにかお分かりだろうか。炭酸水のことらしい。日本では淡水と海水の中間域の水をさすが、ずいぶん違うものである。
交通マナー  中国の交通マナーは・・・。とにかく、すごいの一言。時速100キロ以上出している自動車道を二車線ぶん塞いでUターンをかまそうとする人。その自動車道を自転車で横断する人。左折待ち(中国は右側通行である)の車の左側を追い越していく車。更には車道の脇をロバを引いて走る人・・・。
 聞いた話では、西安へ行く自動車道の上で昼寝をしていて車ではねられた人がいるとか。田舎ではまだ自動車道の認識がきっちり出来上がっていないらしい。昼寝をしやすいと思ってはねられたのではないかということ。中国人恐るべし。
中国のホテル  驚かれるかもしれないが、四ツ星クラスになると、ホテルのフロントには必ず英語を話せる人が一人二人はいる。大抵は女性で、英語教育を受けたエリートだ。彼女たちは英語が話せるということで、若いにも関わらず、主任クラスの地位を確保していたりする。
 また、三ツ星以上になると、ホテルのクラークやフロントの外見が恐ろしいほどに良い。一つのホテルの限らず、3箇所泊まったところでそうだったので、全体的な傾向なのだろう。
中国の一人っ子政策  上の話と絡めて書きたかったのだが、中国では一人っ子政策を取っている。これは、人口抑制策として、政府がなかば強制的に行っている政策で、二人以上の子供を持つ家庭にペナルティを与えるというもの。
 ところが、中国らしいのは、田舎にいけばこの政策がほとんど浸透していないということ。それでも、家庭には一人しか子供を持てないことになっているので、かなり若いうちに家庭から放り出されるらしい。そういう子達はあるものは靴磨きや物売りをしたりしている。その中で見栄えの良い子がホテルに住み込みで働くことになるようだ。
中国人  先にも述べたが、中国人は法を守らない。建前では守っているのかもしれないが、みんな抜け穴を探して、いつの間にか法はザル化している。そもそも、首都である北京空港の出国を済ませた途端、いきなり象牙の彫刻を売りつけてくるような状況である(象牙はワシントン条約で取引を規制されている。また、中国はワシントン条約締約国で、対外的には象牙の取引は行われていないと言い切っている)。
 岳陽の町でも、熊の手、なにかの動物のペニスの干物を売るオッサンに会ったし、日本のAV女優の写真がカバーになったアングラ雑誌を街中で堂々と売ってた(全部法的には違法)。
 中国人にとって、法とは、ただ単にあるものであり、それが守られないのは政府が悪いという考え方らしい。関西人よりもたちが悪いかもしれない。
中国のテレビ  テレビは急激に普及してきているようだ。またチャンネル数が恐ろしいほど多い。娯楽番組も色々やっているし、衛星放送か、香港やアメリカの番組も入っていた。
 コマーシャルもいっちょこ前にやっている。ただ、なんだかダイレクトすぎて、つまらないコマーシャルが多い。うけたのは、ミネラルウォーターのコマーシャル。"Wa ha ha"(水ですよ)っていう商品のネーミングもなかなかだが、ちょっと格好良い風の男性のもとへ女性が走ってきて、二人で手を取りあって踊りながらペットボトルを飲み始める。最後にナレーターがちょっと低いドスの利いた声で「XXX ワハハ」と言う。中国のコマーシャルは馬鹿らしいものが多かったが、これはその中でももっとも馬鹿らしく、「和歌山の種なし柿」に匹敵する寒さだった。
 約4年ぶりに中国の北部を訪れたら、「ワハハ」は健在であった。若い男性アイドル歌手が手を後ろに回している写真が載っていたが、単なる蒸留水なのに、向こうでは若い世代をターゲットにしているのだろうか。
中国のお菓子  マレーシアでもよく目にしたが、中国系の商品には意味もなく日本語を書いてあるものが多い。どうやら、日本語を書くことで、「日本にも輸出している!」とハッタリをかまして、信用を得ようとしているらしい。ただ、誤植が多かったり、内容の変なものも多い。
 中国で見かけたものの中でも極めつけがこれ。「とんちしょくひんはみんなのともだち。いつでもどこでもいっしょ」全てひらがな。とんちしょくひんってどんな会社なんだろう。東の横綱はパイのパッケージに書いてあったこちらのせりふ。「おいしくて健康でぱりぱりしたもの」これって、商品の名前かいナ?思いっきりそのまんまや!
 ところで、日本の有名お菓子メーカーのグリコは中国にも入っている。アーモンドポッキーなど、おなじみの商品が並んでいた。如何にも中国だったのは、ポッキ-のエビ味。赤いパッケージにえびせんのパッケージと同じような赤いエビが描かれている。内容物を見ると、意外なものが!XO醤に海鮮醤。これってどんな味なんだろう・・・。
中国人の食1  山科けいすけの漫画で、宇宙人来訪に際し、「中国人、食べるあるよ」というギャグが使われていたように(誰も知らんって)、中国人は本当になんでもよく食べる。昔のおっかさんが感心しそうだ(好き嫌いなく食べるって・・・)。
 それだけに、中国へ行ったら、何が食卓に並んでいるのか、気をつけるようにしよう。これはレストランでも一緒。岳陽の四ツ星ホテルの中での夕食のこと。色んな料理が並んでいる中から、バイキング形式で取るようになっていた。赤身の肉を炒めた料理が出ており、牛タンやカンガルー(だから、分からへんって!誰も)の肉を思い起こさせる、歯ごたえのある肉で、正体が分からないので、中国から会議に来ていた人に聞いてみたら・・・。あ、向こうでは普通に食べるもんです。ただ、日本ではペットになっていますからねぇ・・・。韓国ではオリンピックの前に、これを食べさせる店を一掃したという話もありました。
 別に僕は気にしない方ですが、気にする向きもあると思いますし・・・。ところで、チャウチャウが元々食用犬というのはよく知られていますが、中国人はチャウチャウだけを食べるわけではないそうです。長春でのこと。あまりに狗肉と書いてある店が多いので、「犬は特殊な犬を食べるんですか」と聞いたら、「いいえ、どんな犬でも大丈夫ですねぇ」と返事が返ってきた。自分が食べた犬はどんな犬だったんだろう・・・。
中国人の食2  岳陽でのこと。街中を歩く人がみな何かをかんでいるのに気がついて、街角を注意してみてみたら、ひまわりの種だった。あちらではごま油かなにかで炒めるか揚げるかして、殻をむいて食べる。殻は歩きながら吐いて捨てるので、岳陽の町はひまわりの殻だらけ。
 次によく見かけたのは、くわいである。日本では最近は食べる人も少ないだろう。おせち料理以外ではめったにみかけないことと思う。
 更に、サトウキビの茎を食べている人も多かった。茎を食べながら、硬い繊維の部分を道端に吐き出していた。
 しかし、どれもこれも、サルか鳥みたいや。なんだか、ほんまになんでも食うなぁ、中国人。
中国人の食3  中国人は冷たい水をほとんど(知っている限りはまず)飲まない。やはり、お茶が基本である。北戴河へ出張したときのこと。空気は乾いているし、毎朝餃子だの、鳩の砂肝だの、くどいものばかり食べていたので、食後にあっさりしたものを飲みたくなった。バイキング形式の食堂の片隅を見ると、給仕の男性がジュースらしきものを持って立っていた。「兄ちゃん、これ頂戴」と言ってもらってから、驚いた。「!?、なんやこれ、熱いやん?」。それも熱湯に近い。今のところ、僕の人生で熱いジュースを飲んだのは、後にも先にもあの時だけだろう。おまけに、粉末ジュースを溶かしただけのものらしく、粉っぽいわ、薄いわで味の方は悲惨なものだった。
中国人の食4  中国人は見栄っ張りである。これは民族的なものらしく、マレーシアで聞いたところでは、中国系の人は今もっている車のグレード以下の車はほとんど買わないという。初めて中国を旅した人は、食事の際、圧倒的な量を出されるのに驚かされるであろう。ここで無理をして食べる必要はないらしい。無理をして食べれば、「少なすぎた」と思い、後から同じ皿をもう一度いっぱいにして持ってくるだろう。中国では、客にこれだけ沢山の食事を出せるのだというように、常に多めの食事を出すものであるそうだ。
中国のトイレ  中国のトイレは汚いという。汽車に乗って憂鬱なのはトイレである。しかしまぁ、よくもこれだけ見事に的をはずすもんだというくらい、便器の周りは小便が飛び散っているし、大きい方が縁に乗っていたりする。日本のように消毒液を使わないものだから、トイレに入った途端に臭う。公衆便所はもっと酷い。中国の北部で入ったトイレはレンガの小屋を二つに仕切り、それぞれの部屋の真中に溝があるだけである。覗けば溝から外の光が射し込んでいる。コンクリートの溝のところどころには大きいものが固まってへばりついている。女性なら出るものも出なくなるだろう。このようなトイレで、交代で一人ずつ入っていたら、中国人のガイドが、「どうしてみんな一緒に入らないんですか」と聞いてきた。広さは半畳ほどのスペースである。中国人は一体どうやってあのスペースで二人ずつ用を足すのだろう。私は男性二人が並んで用を足しているおぞましい姿を想像してしまった。

コスタリカ編 

コスタリカの食事  コスタリカはラテン民族の国である。メキシコが近いので、辛いものをよく食べると思われている向きがあるが、辛い食べ物はほとんどない。主食は豆類とトウモロコシで、トルティーヤはよく出てくる。あとはもち米(だと思う)に小豆を入れて炊くご飯が一般的だ。なんてことはない、まさに赤飯そのもの。コスタリカの人は赤飯にスクランブルエッグ、コーヒーというスタイルの朝食を取る。
スペイン語  スペイン語の響きは独特だ。男性も女性も低音のどすの利いた声で話す。英語に似ている部分が大きく、単語から推察がつく場合も多い。発音は独特で、JやGはHの発音に、Hはしばしば無音になる。従って、Georgeは「ホルヘ」に、Angelは「アンヘル」になる。まぁ、こういうのはどこの言語にでもあり、オランダ語ではJはYの発音になる。
 コスタリカの会期中のこと。一日オフ日があり、一日ツアーをアレンジしてもらうことにして、旅行会社のブースを訪ねた。受付には愛嬌の良い若い女性が座っており、半日タクシーを貸し切って、どこそこへ行きたいという旨を告げると、連絡先を書いてくれということで、名前を書かされた。そのねぇちゃんは早速タクシーの運転手に連絡を取り、なんやら交渉を始めた。「・・・、で、X時にどこだよ、分かった?お客さんの名前は・・・、えーっと、コーヒー・タヒ」。ちょっと待てぃ、誰がコーヒーやねん!と言おうとして気がついた。あっ、そうか、「KOJI TAGI」やと、そーなるんか。スペイン語なんて・・・。
コスタリカ人  コスタリカ人は絵に描いたようなラテン系である。ノリが良くて、どこまでも陽気だ。サン・ホセに到着した翌日、長時間のフライトで疲れた体をほぐすため、知人のMさんとホテルの裏の住宅街へ朝の散歩に出かけた。ちょうど向かいから歩いてきた郵便配達のオッサンとすれ違った時、突然、オッサンが巻き舌で朗々と歌い始めた。「なんでしょ、あれ?」、「さっき僕の名札(会議用の)を見ていましたね」。そやけど、人の名札からどんな歌を思いついて歌いはじめたんだ?

バードウォッチング編

バードウォッチャーの算数  その昔、紅白歌合戦で野鳥の会がカウントをしていたおかげで、バードウォッチャーはさぞかし数を数えるのが上手いと思われているようだが、それは当たっていない。むしろ、「どこで算数習って来てん」という人が多い。友人MT君は、「二進法のTさん」と大学時代に呼ばれていたらしい。彼はある鳥が1回おると、「おった」(間違いはあれへん、確かに)、2羽以上おると、「普通におった」(そうかぁ、そろそろおかしいぞ)、3羽以上だと「ぎょーさん(沢山)おった」と言っていた。後輩にあたるTT君は、「誰がどんだけ数えてみても3羽なんですけどねぇ、MTさん、よーさん(沢山)おったって言わはるんですワ」と教えてくれた。
 そのTT君に先日ある場所で会った。アビという海鳥を見に行ったとき、偶然出会ったのだが、彼の感想は、「いやぁ、あんだけよーさんアビ見たのは初めてですワ」。へ?どんだけ数えても6羽やぞ。MT君が二進法なら、TT君は五進法らしい。
鳥屋の常識  バードウォッチャーの常識は普通の人のそれとはかなりピントがずれている。夏は台風が来ると喜ぶし、冬は冬で、シベリアの天気まで気にする変わった人たちである。
 台風が来て喜ぶのは、台風を避けて、あるいは台風に巻き込まれて普段はお目にかからないような珍しい鳥が見られるからである。
 ある友人の友人の話。彼は台風上陸の話を聞いて、大阪の南部にある有名な埋立地へと車を向けた。あいにく彼の狙いははずれ、台風一過にも関わらず、なにもいなかったという。と、そのとき、防波堤を乗り越えて、高波が押し寄せ、彼の車を海へと持ち去っていった。レッカーを呼び、引き上げた車はすでにおしゃかで、廃車にするより仕方なかったという。
 前述の友人MTは、高槻市にある某林道へ探鳥に出かけていた。狭い林道で彼はハンドルを切り損なったのか、10m下の谷へと車ごと落下したらしい。後日電話をかけてきた彼は、「車、落としてまいましてん」とのんきに言った。「ほんで、車は・・・?」、「あぁ、廃車ですワ」・・・、他人事みたいに言う事かぁ?
中国人ガイド  マレーシアの友人兼、いまや仕事のパートナーのCHは陽気な中国人である。彼の陽気さはマレーシア初めての年配のバードウォッチャーの緊張をほぐすのには非常に向いている。バードウォッチャーばかり相手にしている彼の日本語の語彙は普通と異なっている。クルマ、トンダ、ゴハン・・・。これらはいずれもツアーで必要になる語彙。トンダは「飛んだ」である。彼にとっては同じに聞こえるのか、「日本にトンダってクルマはなかったか」と聞いたことがあった。そりゃ、ホンダや・・・。しまいには、「バードウォッチャー専用、トンダカー」なんて言い出した。あんまり縁起よくなさそうなクルマだなぁ。その他の語彙は、サイチョウ、カワセミ、アオショウビンなど、鳥の名前ばかり。ある日、他の鳥の名前を覚えるべく、彼は「Oriental Magpie Robinはなんていうんだ」と私に聞いた。「シキチョウだよ」と教えてやると、「それは覚えやすい」と一言。なぜか問い合わせると、「セカイチョウって靴屋の靴を昔履いていた。」そうかぁ?音が似てるかなぁ?
意外な副産物  オーストラリアへ行くと、やたらに猛禽類が多いのに驚かされる。大型のオナガイヌワシですら、ちょっと内陸へ行くとすぐに見つかる。原因はカンガルーや牛などの交通事故死による、餓死の減少。その証拠に、道路際でカンガルーの死体に群がるフエフキトビやオナガイヌワシを何回も目にした。ただ、その結果、交通事故死する猛禽類が増えたのだが。ニュージーランドでは、ミナミチュウヒというタカがウサギやキツネの死体を食べていて、巻き添えを食って交通事故に遭って死んでいるのを見た。驚くことに、このタカの死体の上に、さらに別のミナミチュウヒが来ていた。彼らにとっては、同僚も死んでしまえば食べ物なのだろうか。
 さて、一方、インドでは、近年牛の輸出が増加しているとか。インド人の多くはヒンドゥー教徒であり、牛は食べない。だから、そこら中に牛がいてもおかしくない。これを商売にしようとする人が出てくるのも自然の成り行きだろう。ここで巻き添えを食ったのがハゲワシたち。牛の個体数が減れば、当然、死体に遭遇する機会も減る。そのうちハゲワシの個体数が減り始めるだろうとすら言われている。

その他 

タクシー  意外かもしれないが、タクシーを見るとその国の発展度合いが分かる。オーストラリアは3Lのファルコンかコモドア(どっちもオーストラリア車)、マレーシアはプロトンのサガ(三菱シグマと同じ)か日産サニー、フィリピンはサニーかカローラ。驚いたのは中国。なんと通常はダイハツシャレードかスバルのレックス。シャレードのドライバー席を更にプラスチックの透明の板で囲んである。強盗から身を守るためなのだろうか。あんなちっこい車で120キロでも130キロでも出す。3人で空港まで乗った時、狭さとスピードで思いっきり疲れた・・・。
マニラ名物?  マニラ(フィリピン)は、残念ながらまだまだ観光に行ける雰囲気ではない。ショッピングモールが爆破されたり、とかく不穏な話も多い。
 そんなマニラの名物は物貰いとストリートガールである。夜になると、「どこにこんなにおってん」というくらいに、とおりに出てくる。前者は子供が多い。「マニー、マニー」と言いながら、信号待ちとかしているとすぐに寄ってくる。あるいは、片手をあげ、彫刻のように固まっている人もいる。
 後者は一、二本小道に入った辻に多い。斜に構えて、鋭い眼光で客を探している。困ったことに、一流ホテルであろうがなんだろうが、暗黙の了解になっているのか、客が連れ込めば平気で入ってくる。
 どちらへの応対も同じ。とにかく目線を合わさず、とっととその場を通り過ぎること。
フィリピン人  上でフィリピンの影の部分を書いたが、フィリピン人は魅力的な人柄の人が多い。ラテン系民族のように、とにかく陽気で、人懐っこい。外人と見るや、好奇心を持って話し掛けてくる。マニラで滞在したホテルでも、二日目の朝からは、フロント係の人たちがニコニコ笑いかけてきた。マレーシアのどの人種も比較的無愛想なので、マニラでのフィリピン人の印象は比較的良いものだった。
フィリピン人2  フィリピンはアジアの中のラテン国家だ。上にも書いたが、物騒である反面、人は情熱的で愛嬌がある。そんなフィリピンで違和感を感じたのは、同性同士で手をつなぐ人を良く見かけること。別に同性愛者ではないらしい。向こうでは、友達同士で手をつなぎ会う光景が結構普通なんだそうだ。同じ状況を日本に当てはめてみる。日焼けサロンで荒れた肌に脱色してぼろぼろになった髪の毛のヤマンバ系の女の子や、無精ひげにもみ上げで、切れ長のたれ目の男の子が手をつなぐ光景・・・。日本には似合わない。
North Worst?  北アメリカに広い路線網を持つNorthwestは貧乏人である私は、比較的お世話になってきた。とにかく安いのである。しかし、安いことイコール・・・である。Northwestはまた、評判の悪い航空会社でもある。初めてアメリカへ行ったときのこと。隣りの席には、海外実質初めてのNK君がいた。ハッチが閉じられる前、ガラスが割れる音が聞こえた。スチュワーデスがワイングラスを割ったらしい。ふと見たら、スチュワード、スチュワーデス全てみんな年寄りである。おいおい、大丈夫かぁ・・・。隣席でNK君は不安そうな顔をしている。食事を積んだワゴンを押すのも一苦労。足が震えてるぞ、おい!なんだか年寄り虐待みたいですらある。サービスも大したもんだった。僕らの係りにあたった人はとにかく耳が悪かったらしい。「あぁ?」と何遍も聞いてきたので、NK君はますます縮み上がってしまった。志村けんみたいなネタを使いやがる・・・。おかげで、12時間弱のフライトの最中、退屈することはなかったが、すっかり神経的に疲れてしまった。
 その後もNorthwestに乗ると、機内映画が故障で見られなかったり(2回くらいあった)、音楽放送が全く聞こえなかったり(これはほぼ毎回。おまけにかかっても機内誌と違うものがかかったりするし)、天井の棚が壊れて閉まらなかったり・・・。
 誰が言ったか、Northworst。ぴったりである。
厄介な動物  アニメでおなじみのアライグマは実は厄介な動物なのだそうだ。かなり気が荒く、また、狂犬病に感染していることが多いらしく、とにかく見かけても近づかないにこしたことがないらしい。人家に勝手に入り込んで、パーティ宜しく、あちこちを荒らし回るらしく、評判はかなり悪い。
 もうひとつ、厄介なのは、スカンク。こちらは有名なのでご存知だろう。屁である。スカンクの屁は人間のものと違い、化学薬品のようなにおいである。ただ、スカンクは動作が鈍く、屁をこく前に、足踏みをして、逆立ちをするんだそうで、それからでも十分逃げられるのであろう。また、においが着いたら、レモンで消すと良いそうだ。
 アメリカには、納屋や軒下などに住み着いたスカンクを追い出す専門の職業まであるという。
ナデナデ禁止!?  仏教の国タイの人は、フィリピンの人とは別の意味で愛嬌があって、ノリが良い。そんなタイの人と付き合う上で絶対やっちゃいけないことが頭を撫でることなんだそうだ。たとえ友人であれ、子供であれ、頭に触れるのはタブーだという。語学学校時代の友人Sはバンコク育ちの如何にもぼんぼんという雰囲気を持っている。彼はノリが良く、ついつい、関西人の私は突っ込みをかますべく、小突いていたが、「おら、頭さわんなよ!」とよく言われたもんである(その時、妙に自慢げに言うのが面白かったが)。子供の頭をついつい撫でてしまう日本人には要注意。
タイ語  タイの人が話すのを聞いたことがあるだろうか。あの唄うような、不思議な声は独特である。男性も女性も声のトーンが高い人が多く、バンコク在住の友人は、「アニメチックや」と言っている。バンコクで8時間のトランジットが会ったときのこと、友人(日本人)と久しぶりに会い、ホテルの喫茶店でオーダーしたら、ウェイトレスの女性が、「◎×●■、かぁ」と言った。「かぁって何?」と聞くと、「分ったってことや」と友人。男性は「か」で、女性は「かぁ」と伸ばすのだそうだ。なにも知らずに聞いていると、カァ、カァとめっちゃ変である。タイ語では、驚いたとき、「チンチンナー!」と言うそうである。友人は会社の女性社員に、「日本人の前で絶対に言ったらアカンで!」と言ったそうだ。
関西人アメリカへ行く  関西人のすごいところはバイタリティがあることである。これは鳥を見る人間でも同じらしい。前述の友人MTが仕事でテキサスに住むことになった。彼は関西人の中でもかなりコテコテ。テキサスへ早速関西の芸風を持ち出してくれた。
 そんな彼がテキサスで閉口したのは、新鮮な魚がほとんどないこと。必然、釣りもやる彼は自分で採ってくるようになった。でも、身近で獲れるのは淡水魚ばかり。というわけで、ナマズの味噌酒粕漬けという、想像のつかないものを作るようになった。「ほんでも、美味いですよ」。おまえ、ほやから、痩せへんのや・・・。
アメリカ人の味覚  アメリカ人ほど味覚音痴な人たちも少ないと思う。何を食べても「美味い」と言えるから、幸せと言えば幸せだが。先日、アメリカ人バードウォッチャーを連れて旅行していたときのこと。昼飯にとんかつを頼んだ彼は、ついてきたとんかつソースが気に入らなかったらしく、「甘い」を連発(アホな、オレンジソースとか、キウィソースの方がよっぽど甘いワ)。ファミリーレストラン内にあったタバスコをつかみ、無造作にかけ始めた。「うん、美味い!」。そうか・・・。翌々日のこと。昼に今度はチキンカツを頼んだ彼は、和食レストランなのに、「タバスコない?」と聞いた。「うちにはちょっと・・・。」と言われても(当たり前や、あるかい、そんなもん!)、彼はめげずに、なにかテーブルの上にあるものを色々開け始めた。ふとつかんだものを私に見せて、「これ、スパイシーか?」と聞くので、「・・・、まぁ、スパイシーやけど・・・」と聞くと、言い終わらぬうちにまたしても無造作にかけ始めた。彼がかけたのは、そば・うどん用に置かれていた一味だった。アメリカ人、恐るべし!
ミス・バドワイザー!? カンボジアの食堂へ入ると、目に付くのがこれ。チャイナドレス風のシルクのドレスを来て、タスキをかけた女性が入り口に立っている。よくよく見ると、たすきはバドワイザーだったり、フォスターだったり、カールスバーグだったり。席に着くやいなや、女性たちが集まってきたので、「えらいこっちゃ」と驚いていたら、どうやらビールのオーダーを取りに来ただけらしい。各ブランドのタスキをかけているのは、オーダーされた女性が給仕するからのようだ。一つのブランドのビールを頼んだら、他の女性は潮が引くように、いなくなってしまった。あれは落ち着かん・・・。
バイクタクシー カンボジアの主要交通手段はバイクタクシー(なんと呼ぶのか忘れた)。スーパーカブもどきのバイクに2人、3人は当たり前、時々5人乗っていたりする。彼らには眼線を合わせたが最後。しつこくはないが、度々「乗る?」と聞かれ、うるさい。一度試しに乗ってみたら、これがスリルがあって案外楽しい。ただ、プノンペン市内ですら舗装されていないところが多く、ホテルにたどり着いたらほこりまみれだった。
アメリカンブレックファースト プノンペン市内の某ホテルでのこと。朝食は料金固定でメニューの中から自由に選べるようになっている。私は中華粥、同僚Lはチキンライス、そしてAはアメリカンブレックファーストを頼んだ。調理にやけに時間のかかるレストランで、20分ほどして出てきたものを見て!?。アメリカンブレックファーストには、トースト2切れ、ゆで卵2個、ちびっこウィンナー!が2個、薄切りハム2切れだけだった。別に他の物の量が少なかったわけではなく、どういうわけかアメリカンブレックファーストだけは量が際立って少なかった。アメリカ人って少食?
路傍のフランスパン 空港からプノンペン市内への道すがら、色々な屋台が出ているのを見かけた。東南アジア式の食堂、雑貨店が主だったが、そこにキツネ色をした長細いものがよく置かれていた。よく見ると、フランスパンだった。ベトナム(行ったことはないが)ではままあることらしいが、カンボジアもフランス統治の時代があったんだろうか?
ラクダ 中東のラクダはヒトコブラクダという種類で、背中のこぶはひとつしかない。中東に対してよく日本人が抱くイメージは、不毛の砂漠にフタコブラクダなんだろうが、砂漠よりも土漠の方がよく見られる景色だし、フタコブラクダは中央アジアのものだ。 ラクダは飼い馴らすのにやや手間のかかる動物らしく、機嫌が悪いと人に胃液を吐きかけるということもする。そんなラクダだが、意外な一面もある。オマーン滞在中のある朝、ホテルの窓から、夜明け後の静かな道路の上を3頭のラクダが一列になって歩いているのが見えた。また、別の日の夕方、ラクダが数頭隊列を組んで、住宅街の方へ向かって歩いているのを目撃した。不審に思って地元の人に聞いたところ、ラクダという生き物は朝自分で餌を採るために柵から出て、夕方にはちゃんと柵の中に帰ってくるのだそうだ。ラクダは帰巣本能があるのか、手間がかからない生き物なのだとか。
ウガンダの車 先日(2003年5月)、大型車を盗んだ罪でウガンダ人が捕まった。ウガンダの車は圧倒的に日本車が多いのだが、その殆どは日本から廃車寸前のものを買い取って輸入したもののようだ。一見、日本時代の名残をほとんど見せないのだが、JAFや車検の貼ったままのものは案外多く見かける。JAF、やるなぁ、ウガンダまで来るんか、とアホなことを思いながら、注意をして見てみると、ディーラーのステッカーを残したままのものもある。カンパラの街中で静岡カローラだの奈良トヨペットだの書いてあると、「ここはどこだろう」という気にさせられる。商用車にはさらに多くの名残が残っていて、○○荒物商だの、甲南商事だの、具体的な名前が入っているものもたまに見かける。11人乗りのタクシーに使われているワンボックスカーでは、「西川の布団」だとか、「イトーヨーカドー」だとか、「文明堂のカステラ」だとか、さらに具体的な名前が。いっしょに出張に行っていたある人が、「一度、元のオーナーと今のオーナーの国際交流やってみたいなぁ」と言っていたが、ぜひ、やっていただきたいもんである。

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