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マミジロモリツバメのオスは青っぽい背中と
赤茶色のおなかが鮮やかな、オーストラリア固有の鳥です。

© 2000 Koji TAGI


オーストラリアは日本の約22倍の国土があり、熱帯から亜寒帯、砂漠と多種多様な環境があります。オーストラリアの自然と言えば、コアラやカンガルー、エアーズロックの赤い大地などが頭に浮かぶことと思います。でも、オーストラリアの鳥についてはどうでしょう。エミュー、ワライカワセミあたりは案外有名ですよね。これまでオーストラリアには約770種の野鳥が記録され、その多くはオーストラリア国内でしか見られない固有種です。

 オーストラリアはもともとゴンドワナ大陸と呼ばれる大きな大陸の一部で、氷河期を経て北上し、その形成の過程でパプア・ニューギニアと分離したと考えられています。そのため、隣国パプアニューギニアと共通の鳥が沢山見られます。これらの中には、ヒクイドリ、ツカツクリの仲間、テリカッコウやヒメカッコウの仲間、オーストラリアムシクイの仲間、ミツスイの仲間、フウチョウの仲間、カササギヒタキの仲間などが挙げられます。(写真右はマミジロテリカッコウで、インドネシア東部やパプアニューギニアにも生息する。)

 オーストラリアはまた、東南アジアから進入、進出してきたと思われるグループの鳥も見られます。ナンキンオシ、ナンヨウクイナ、マイジロクイナ、オオヅル、シロガシラトビ、キンバト、ヤイロチョウの仲間などはオーストラリア大陸が北上する過程で進入してきたのかもしれません。


 オーストラリアは以前はナンキョクブナなどの生える、湿潤で温暖な環境にあったと考えられています。当然、大地にはある程度降雨量のあるところに自生するrainforestと呼ばれる広葉樹の森が広がっていたのでしょう。これらの森では、フウチョウの仲間やコトドリなどが住んでいます。

 しかし、大陸が北上する過程でその後乾燥化が進み、 rainforestはオーストラリア大陸の東海岸を除いて姿を消してしまいます。この乾燥した土地に適応したのがユーカリであり、アカシアであり、バンクシアでした。彼らは乾燥した土地に適応するべく、笹の葉のような細長い葉を持ち、山火事にも対処できる硬い殻の実を持つことになりました。このような自然環境によって、鳥たちも独自の対応をしてきたようです。
(写真左はバンクシアの一種の花。花が終わって、実が成熟するのに2-3年かかる。)

 ユーカリやアカシア、バンクシアなどの花の蜜や、これらの硬い実を主食とするミツスイ、インコ、オウムといった鳥たちは、オーストラリアを代表する鳥のグループといえます。彼らの多くは、花や果実を求めて、大陸内を広く移動する漂鳥です。

 また、さらに内陸に入っていくと、ユーカリやアカシアの林すらない、乾燥した赤茶けた大地が広がるだけになります。オーストラリアの内陸部では年間の降雨量が100mmにも満たないような砂漠があります。砂漠と言っても、草木が全くない不毛の荒野ではなく、オーストラリアの砂漠の大半では植物が生えています。(写真右はオーストラリアの内陸の春の景色。赤茶色の大地と白や黄色の花が青い空に映える。)

 このような地域で特徴的なのは、Spinifex(スピニフェックス)と呼ばれる草です。イネ科の植物ですが、とてもイネの親戚には見えません。まるで、荒野にたたずむヤマアラシのように、尖った葉先を天に向けて伸ばしています。

 砂漠に住む鳥は、餌がある場所を求めて、長距離を移動する漂鳥か、厳しい環境に適応し、通年を砂漠で過ごす鳥かのどちらかです。前者にはセキセイインコやウスユキバトのような鳥が含まれます。いずれも大きな群れを作って、国内のかなり広い範囲を移動しています。後者にはショウキバト(Malleeや砂漠の鳥のページ参照))やセスジムシクイの仲間が入るでしょう。いずれも、厳しい環境に適応するため、地上をすばやく走るすべを身に付けています。

 簡単にオーストラリアの自然環境とそこに生息する鳥たちについて説明してみましたが、オーストラリアでは、多種多様な環境があって、そこにさまざまな野鳥が生息していると言えます。

 ということで、これから各ページでは、それぞれの生息環境ごとに鳥を見ていくことにしたいと思います。




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