マングローブの鳥


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宝石のようにきらびやかなタイヨウチョウ
写真はチャノドコバシタイヨウチョウ
© 2000 Koji TAGI

 

マングローブというのは、日本ではあまりなじみのない言葉かもしれません。日本だと沖縄の海岸線に行くと、ヒルギと言われる木々が生えています。海岸線や河口の泥地ににょきにょきと足を突き出したように、根茎を伸ばし、密生しあって生えている植物たちです。ゲームをやる人なら、「人面樹!」とでも言いそうな、一種独特な景色がそこにはあります。

 東南アジアは世界的に見てもマングローブ林の多い地域です。そして、マングローブの中や周辺には特有の生物たちが住んでいます。

 クアラルンプールから北西に行ったところにクアラ・セランゴール自然公園があります。ここでは、マングローブに住む生き物たちを身近に観察することが出来ます。
 ゲートを入ると、コウライウグイス(Black-naped Oriole)やメグロヒヨドリ(Yellow-vented Bulbul)の声が聞こえます。10月から4月の間なら、日本でおなじみのメボソムシクイやコサメビタキも見られます。水路に沿って、ササゴイやコウハシショウビン(Stork-billed Kingfisher)が見られるでしょう。日本では珍しいナンヨウショウビン(Collared Kingfisher)はここでは普通の鳥です。青緑色の上面がよく目立ちます。この鳥は、別名Mangrove Kingfisherとも呼ばれ、マングローブ林やその周辺に好んで生息します。

 小さな細い声で鳴いて飛ぶ小さな小鳥はタイヨウチョウたちです。ここでよく見られるのは2種類。チャノドコバシタイヨウチョウ(Brown-throated Sunbird:写真扉)とキバラタイヨウチョウ(Olive-backed Sunbird:写真上)です。どちらも非常に小さな小鳥ですが、オスはチョウの羽のような構造色を持っていて、太陽の光が当たると青や紫や緑に輝きます。彼らは花の蜜を好んで食べます。細長い嘴は花びらの中に嘴を突っ込んで、蜜を舐め取るのに適した形なのでしょう。

 時折、歩道の上を黒い大きな鳥が横切ることがあります。カラスとキジの中間のようなこの変な鳥は、オオバンケン(写真右)と言います。カッコウに近縁のこの鳥は、カッコウのように他の鳥の巣に卵を産みつけることはなく、自分で巣を作って雛を育てます。彼らは、なぜか雨や曇りの日が好きで、雨の後などには、ぼんやりと遊歩道の上にたたずんでいることがあります。

 遊歩道の両側の藪を忙しく出入りするのはムナオビオウギビタキ(Pied Fantail)。尾羽を扇子のように開いたり閉じたりしながら、忙しく藪の中を飛び回っています。

 マングローブの林の中に入ると、シジュウカラが出迎えてくれます。種類は日本のものと同じなのですが、声も姿もなんとなくちょっと違います。マレーシアでは、シジュウカラはマングローブ林かその周辺でしか見られません。黒っぽい小さな小鳥を見たら、双眼鏡を向けてみましょう。マングローブヒメアオヒタキ(Mangrove Blue Flycatcher)は他のヒタキと異なり、マングローブの林にだけ住んでいます。青い上面とオレンジ色の胸は山地の森で見られるミヤマヒメアオヒタキ(Hill Blue Flycatcher)にそっくりです。
めったに姿を見ることはありませんが、クアラ・セランゴールにはマングローブヤイロチョウ(Mangrove Pitta)が住んでいます。姿形はヤイロチョウとそっくりですが、嘴は心持ち長くて太いようです。泥の地面に下りて、カニを食べると言われているので、大きな嘴が必要になったのかもしれません。

 マングローブの林では、熱帯林ほど木の高さがないので、比較的近くで鳥を観察することが出来ますが、日中はとても蒸し暑くなります。望遠鏡は忘れても、帽子と水は忘れずに出かけましょう。




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