マングローブの鳥 |
マングローブというのは、日本ではあまりなじみのない言葉かもしれません。日本だと沖縄の海岸線に行くと、ヒルギと言われる木々が生えています。海岸線や河口の泥地ににょきにょきと足を突き出したように、根茎を伸ばし、密生しあって生えている植物たちです。ゲームをやる人なら、「人面樹!」とでも言いそうな、一種独特な景色がそこにはあります。 東南アジアは世界的に見てもマングローブ林の多い地域です。そして、マングローブの中や周辺には特有の生物たちが住んでいます。 クアラルンプールから北西に行ったところにクアラ・セランゴール自然公園があります。ここでは、マングローブに住む生き物たちを身近に観察することが出来ます。 時折、歩道の上を黒い大きな鳥が横切ることがあります。カラスとキジの中間のようなこの変な鳥は、オオバンケン(写真右)と言います。カッコウに近縁のこの鳥は、カッコウのように他の鳥の巣に卵を産みつけることはなく、自分で巣を作って雛を育てます。彼らは、なぜか雨や曇りの日が好きで、雨の後などには、ぼんやりと遊歩道の上にたたずんでいることがあります。 遊歩道の両側の藪を忙しく出入りするのはムナオビオウギビタキ(Pied Fantail)。尾羽を扇子のように開いたり閉じたりしながら、忙しく藪の中を飛び回っています。 マングローブの林の中に入ると、シジュウカラが出迎えてくれます。種類は日本のものと同じなのですが、声も姿もなんとなくちょっと違います。マレーシアでは、シジュウカラはマングローブ林かその周辺でしか見られません。黒っぽい小さな小鳥を見たら、双眼鏡を向けてみましょう。マングローブヒメアオヒタキ(Mangrove
Blue Flycatcher)は他のヒタキと異なり、マングローブの林にだけ住んでいます。青い上面とオレンジ色の胸は山地の森で見られるミヤマヒメアオヒタキ(Hill
Blue Flycatcher)にそっくりです。 マングローブの林では、熱帯林ほど木の高さがないので、比較的近くで鳥を観察することが出来ますが、日中はとても蒸し暑くなります。望遠鏡は忘れても、帽子と水は忘れずに出かけましょう。
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