ブータン探鳥記

ブータン探鳥記2012年6月3-9日 その1 


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ウスゴシムシクイ © 2012 Koji TAGI


 
すっかり恒例となったブータンでの探鳥。前回34月の渡航で、ブータン通算記録種数も200種の大台を超え、かなり見たい種も見てしまった。季節も6月になり、モンスーンが到来し、探鳥地へのアクセスも悪くなっているだろうという予想もあり、今回の渡航ではバードウォッチングを行う予定はなかったのだが、渡航スケジュールが決まった後、なんと64日(月)が祝日と判明してしまった。カウンターパートたちも祝日で予定が入っているとのことで、打ち合わせすらできないらしい。仕方がないので(?)、3日、4日と二日間続けて、日帰りバードウォッチングに行くことにする。あいにく、入国した2日は土曜日で通行許可証が得られない。そこで、標高が高く、キジ類や高山性の鳥の期待できる標高3,900mChele Laに行くことにした。

Chele Laへの訪問は20115月、11月に続いて3度目なので、ガイドの必要性は感じなかったのだが、一人よりも目が多い方が良いのと、テープなどの道具を持ってきてくれることから、おなじみのTshewangに声をかけた。

63日(日)Thimphu – Chele La

Thimphu出発は早朝5時半。すでに空は明るい。天気はどんよりしているものの、幸い雨は降っておらず、なんとか峠まで行けそうだ。まだ人気の少ないParoの町を抜け、峠へ向けて一気に車は登っていく。

途中のヒマラヤゴヨウマツの森でUltramarine Flycatcher(マユヒタキ)やサンショウクイの仲間の声が聞こえてくるが、まずは峠の上を目指す。

3,500mを過ぎたあたりから霧が濃くなる。シャクナゲの藪の中から、Greenish Warbler(ヤナギムシクイ:写真右上)、Buff-barred Warbler(アカバネムシクイ)の声に交じって、Fire-tailed Myzornis(ゴシキチメドリ)の声が聞こえてくる。エメラルドグリーンの体に赤い尾羽が印象的な未見の鳥で、ブータンに来るうちに一度は見たいと思っている鳥だが、天候がぱっとしないからか、残念ながら出てこなかった。

「とにかく、霧の晴れる所まで降りよう」とのTshwangの提案で、3,000mくらいまで標高を降りる。Lemon-rumped Leaf Warbler(ウスゴシムシクイ:前頁右下)が数羽、モミ(?)に止まって一心不乱に餌を探している。いつもはヒマラヤゴヨウマツの高枝に止まっていることが多く、目の高さで見るのは初めてだ。10cmほどの小さな鳥なので、かなりのシャッターを切ったが、半分以上はブレてたりボケてたりしていた。

この日はムシクイ・デーだったらしく、この前後に撮ったのはヤナギムシクイにLarge-billed Leaf Warbler(ハシブトムシクイ:写真右)。ハシブトムシクイはウスゴシムシクイ同様、私が仕事で出かける範囲では、ブータン以外でお目にかかることもなさそうなので、ちょっと嬉しい。ただ、ムシクイの仲間はどれも似通っていて、ハシブトムシクイの写真を何の説明もなく、「これ、なーんだ?」と聞いてズバリ当てられる人は少ないだろう。写真だけ見ると、メボソムシクイかエゾムシクイみたいだ。

標高3,500mくらいからよく聞こえていた「ヒッ、ヒョロヒョロヒョロ…」という柔らかい声の主だが、モミ、ツガ類の森でようやく姿を見ることができた。見つけてみると、なんと、おなじみのルリビタキ(写真右)であった。そういや、ルリビタキのさえずりのようだが、ずいぶん寸足らずである。苔むした森の林床から出たり入ったりしているが、ミミズのようなものをくわえているから、すでに雛はかえっているのだろうか。オスとメスの両方が同時に見られた。日本で見るルリビタキよりもずいぶん警戒心が強く、直ぐに藪に入る上に、じっと止まることが少ない。ようやく10mくらいの距離に出ていたオスを見るとずいぶんと青い色が濃く、鮮やかだ。なんだか、ペンキのような色で、くすんだ渋い青の日本のルリビタキとは別物のようである。一方のメスも日本のルリビタキよりも茶色っぽい。なんだか、似て非なる鳥のようだ。「ヒマラヤルリビタキ」として、別種扱いするのも分かる気がする。

昼前に一旦Paroまで降りてきて昼食。雨季に入る直前なのか、いつの間にか空は晴れ上がり、熱い。気温を見ると、なんと28度もある。標高2,400mParoの町でこの気温はびっくりだ。


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